菅政権が長期化するって本当?  宇治敏彦

通常国会が始まって与野党の論戦も次第に熱を帯びていますが、ここへ来て「菅内閣は意外にも長期政権になるかもしれない」という声が聞こえてきます。えっ!なぜ?と思います。そういう説を唱える学者は「アメリカが菅首相を全面的に支持しているから」というのです。もっと正確にいえば、菅首相は「アメリカの嫌がることを何もしていないから」ということです。なるほど、鳩山前首相が沖縄普天間飛行場の移転問題で「国外」「県外」を主張し、日米同盟そのものに対しても一定の距離感を置くかのようなスタンスをとって米政府を困惑させたのに比べると、菅首相は「日米同盟は我が国外交・安全保障の基軸」「世界の共有財産」「普天間移設については日米合意を踏まえ沖縄の皆様に誠心誠意説明し理解を求めながら危険性の除去に向け最優先で取り組む」(1月24日の施政方針演説)など安保・防衛・沖縄基地問題で米政府と同じスタンスをとっています。
また菅首相は「平成の開国」「第3の開国」を唱え、TPP(環太平洋経済連携協定)参加に積極姿勢を打ち出しました。このTPPは2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの「P4」として発効した通商協定に2008年、アメリカとオーストラリアが乗っかったもので、特にアメリカはこれを自国の通商政策発展の「最大の武器」にしたいと目論んでいます。そこへ菅首相が「今年6月を目途に交渉参加の結論を出す」(国会演説)と表明したのですから米側が喜んだのはいうまでもありません。
さらにアジアで覇権主義を強める中国への対抗策としても「動的防衛力の構築に取り組み、南西地域、島しょ部における対応能力を強化する」(菅演説)とうたっています。オバマ米政権としては「菅政権は中国に対抗する際のお友達たりうる」との認識でしょう。そこで思い出したのが中国政府高官の言葉でした。昨年秋、尖閣での漁船衝突事件が発生した直後、中国外交官の一人は「今回の中国人船長逮捕は、鳩山前内閣時代にぎくしゃくした日米同盟を再構築するために日本政府があえて対中強硬策に出たのではないですか」と漏らしました。そういう見方もあるのか、とその時は思いましたが、最近の情報の中には前原外相が米国をも意識しつつ船長逮捕にゴーを出したというのもあります。
ともあれ国内的に菅政権が行き詰まっても「オバマ政権が助けてくれるから簡単には投げ出さない」という見方は興味深いですね。3月か6月ごろには菅首相が立ち往生する場面が必ず出てくると思いますが、そのときにアメリカがどんな態度を取るか、注視しておきたいと思います。
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