原子力安全委員会にリスクや安全の専門家はいるのか 小榑雅章

「私たちは、戦後何十年経って、とか、今年で戦後何十年になる、という言い方をしてきた。しかし、これからは、『3.11』が『戦後』にとって代わるだろう」
先日のあるセミナーで、早稲田大学大学院の田中幹人准教授が言った言葉である。
なるほど、そうなるかもしれないと思う。
私たち日本人にとって、あの太平洋戦争の敗北は悲惨で辛い歴史である。そして明治維新以来の歴史的エポックだった。だから、昭和20年8月15日を起点に、その後どう変わり、どのように成長したか『戦後』を物差しとして60年余を過ごしてきた。
日本にとって、今度の東日本大震災は、あの敗戦と同じように、私たちが忘れてはならない大災害である。この日3月11日は、3.11サンテンイチイチとして記憶され、鎮魂と災禍への戒めの日として、65年も経った『戦後』に代わる新しい起点になるべきなのかもしれない。
このセミナーは、リスクの専門家が集まっていたが、話題は当然、福島第一原発事故に集中した。正確な判断をするには、まだ知らされない事実が多く、データも乏しいので判断できないが、リスクマネジメントがきちんとされていたら、このような大事故にはならなかったのではないか、という意見が多かった。
いま原子力安全委員会の委員名簿をみてみると、原子力や原子炉や放射線の専門家ばかりで、リスクや安全の専門家はいないように思える。
今回の事故の原因は、原子炉でもなく原子力でもない。非常用電源が作動しなかった、あるいは、非常用電源が作動しないときの対応策の用意、という原子力とは無関係の要因である。これはリスクマネジメントの領域であり、その専門家が一人もいなくて、安全を保証していたというのだから、事故は起こるべくして起こった人災と言えるのではないだろうか。
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