好きな言葉⑤ 木を見て森を見よ  宇治敏彦

好きな言葉
 「木を見て森を見ず」という言葉がある。「細かい点に注意し過ぎて大きく全体をつかまない」(広辞苑)という意味だが、私はこれを「木を見て森を見よ」と言い換えたい。「細かい点も大きな全体像も共に見よ」ということだ。
 憲法学者をはじめ多くの市民の反対意見に耳を貸さず新安保法制を自民、公明両党の数の力で押し切った安倍晋三首相に言いたい。「アメリカへの軍事的協力」という木だけに目がいって「憲法9条」「不戦70年」「戦後民主主義」「中国、韓国などアジア諸国との友好促進」「世界平和」といった森を少しも見ていないのではないか、と。
 8月14日に発表された戦後70年の「安倍首相談話」も「侵略」「おわび」といった村山談話以来のキーワードは入っているものの、その表現は第三者的で政治家・安倍晋三の心が入っていない。これは複数の関係者から聞いた話だが、安倍首相と「談話」問題で話し合った有識者は、首相が「日本は中国に侵略行為を行っていない」「何回もおわびする必要はない」などというので非常に驚くと同時に、さすがに「そういわない方が良い」と諌めたという。
 安倍首相の歴史観は、明らかに母方の祖父・岸信介元首相の歴史観の複写である。岸首相の場合は自らの退陣で一区切りつけ、後任の池田首相の「所得倍増政策」によって国民を目くらましにした。だが安倍政権の場合は「2015新安保」になっても多くの国民の反発と抵抗は長く続くだろう。目くらましにする材料がないからだ。「木を見て森を見よ」の精神を忘れて「木を見て森を見ず」に終わった安倍政権の寿命は先が見えてきたように思える。
 遅くとも来年夏の参院選が、そのヤマ場になろう。戦後70年かけて築いた平和・不戦国家像がそう簡単には崩壊しないことを今度は国民・有権者が安倍さんに見せつけてあげる番ではないか。
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