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「内向き日本」をつくり出している原因は何か  宇治敏彦

 日本経団連が大学新卒者の就職活動の早期・長期化を是正するため会社説明会など採用広報活動の開始時期を2カ月遅らせて「大学3年生の12月以降」とすることを決めた。少しでも学生たちが学業に専念できるようにとの狙いからだが、実効性は疑問視されている。
 私が大学を卒業した1960年(昭和35年)は「神武景気」を上回る「岩戸景気」が日本列島を覆い始めていたと歴史書にはあるが、今日と同様に就職難だった記憶しか残っていない。特に「就活」に腐心していた1959年は4月に皇太子の結婚式という明るいニュースがあった半面、日米安保、三井三池闘争の激化で学生たちは思想信条問題で採用をはねられるのではないかと強く懸念していた。既に泉下の人になっている早大の同級生・岐部堅二君(京都新聞)も大学で民主化研究会という左派系グループに属していたことや勤評闘争、警職法闘争のデモに参加したことが就職活動に影響しないか心配していた。「イデオロギーを捨ててマイホーム主義、小市民主義に堕するのが良いかどうか」。就職が決まってからも連日のようにそんな議論をしていた思い出がある。
 今の若者たちはどうだろうか。東京新聞、中日新聞の社説に、海外への留学生が激減していることに対する懸念を中心に「若者よ縮むことなかれ」という一文を書いた(1月9日)ところ、いろいろな反応をいただいた。なかでも畏友・小榑(こぐれ)雅章君からの指摘は示唆に富んでいた。「知人に頼まれて若者の就職相談に乗った」ところ、「どこでもいいから入りたい」「適当にサラリーマンになって適当に暮らせればいい」と言われて唖然としたという。だが別の若者たちが主催する「途上国の飢えた子どもたちを救おう」という集会に出席し、無休・無給で活動している姿に接して「こういう若者が少なからずいることは希望」と胸が熱くなったとか。「大人が自分たちの投影としての若者を育てているのではないでしょうか。理由もなく若者たちが無気力になるはずがない」というのが小榑君の結論だ。昔から「子は親の背中を見て育つ」と言われている。大人が安全主義に走れば子どもも冒険をしないだろう。大人が縮んでいるから若者たちも縮んでいるのだろう。それが「内向き日本」の原因といっていいかもしれない。つまり大人たちがマイホーム主義、ミーイズム(自己中心主義)、小市民主義から脱却しないかぎり、日本が再び外に向かって積極的になれる時代は来ないのではないだろうか。
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