原子力安全委員会班目委員長が驚くべき発言をしている 小榑雅章

3月22日の参院予算委員会で、政府の原子力安全委員会班目春樹委員長が注目すべき発言をした。東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、福島社民党党首の質問に答えて次のようなことを答えている。…
「(原発設計の)想定が悪かった。想定について世界的に見直しがなされなければならない。原子力を推進してきた者の一人として、個人的には謝罪する気持ちはある」(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110322-OYT1T00865.htm
また、班目委員長は2007年2月の中部電力浜岡原発運転差し止め訴訟の静岡地裁で証人として呼ばれ、複数の非常用発電機が起動しない可能性を問われた際、…「そのような事態は想定しない。想定したら原発はつくれない」と発言したことを、社民党の福島瑞穂党首が追及したのに対し、班目氏は「割り切らなければ(原発の)設計ができないことは事実。割り切り方が正しくなかったことも、十分反省している」と述べた。(毎日新聞)http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110323k0000m040159000c.html
同じことにつき、サーチナは次のように伝えている。…
 班目氏は「割り切り方が正しくなかったということも十分反省している。原子力安全委員会は原子力安全、規制行政に意見を言う所だが、抜本的な見直しがなされなければならないと感じている」と語った。福島社民党党首はさらに、班目氏が浜岡原発の裁判で行った証言をとりあげ「非常用ディーゼルが2台とも動かない場合に大変なことになるのではないかと質問を受け、そのような事態は想定しない。そのような事態を想定したのでは原発はつくれない。だから、割り切らなければ設計なんて出来ませんね、と言っている。割り切った結果が、今回の事故ではないのか」と追求。班目氏は「割り切らなければ設計は出来ない、というのは事実。ただし、割り切った割り切り方が正しくなかったということも十分反省している」と答弁した。また「(そういう想定をすると原発はつくれないという発言は)ある意味、原子力をやっている者全体の意見を代表していってきたこと」としながらも「原子力を推進してきた者の1人として、個人としては謝罪したい気持ちがある」と語った。http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0323&f=politics_0323_003.shtml
政府の原子力安全委員会のトップが、想定を越える大災害だったが、その想定が悪かった、と明言しているのである。
今度の大津波では、多くの町や村が壊滅的被害を受けた。かつて被災した津波の経験をもとにそれぞれ防波堤を築いていたが、どれもが想定を越える大津波に大被害を受けた。その意味からしたら、福島第一原発も、「想定を越えた」と言い逃れると思っているのかもしれない。現に、東電の社長や社告では、いつも「想定を越えた」地震と津波により事故が起きたと言っている。菅首相もおなじように地震と津波のせいにしている。
しかし、そうはいかない。原子力安全の元締めが「想定が悪かった」と認めたのである。
しかも、浜岡原発の裁判で、「非常用ディーゼルが2台とも動かない場合に大変なことになるのではないか」という質問に「そのような事態は想定しない。そのような事態を想定したのでは原発はつくれない。だから、割り切らなければ設計なんて出来ませんね」と答えたというのである。
今回は、まさに非常用電源のディーゼルが動かなかったのである。この大事な命綱が万一動かない場合、どれほど恐ろしいことになるか、いま、日本中が苦しんで辛い思いをしている。福島の強制的に避難させられている人々はもちろん、放射能汚染の農家の人たちをはじめ、水道も、経済も、停電も、スポーツも、日本中が原子力事故のせいで、どれほどのつらい苦労を強いられていることか。それを「そのような事態を想定したのでは原発はつくれない。だから、割り切らなければ設計なんて出来ませんね」という。
原子力発電は、安全のためにはあらゆる場面を想定し、それが起こらないように万全の備えを何重にも整えるのが鉄則であり、リスクマネジメントの初歩である。当然それが行われていると国民は信じていたのである。
しかるに、想定していない、割り切りで設計してきたのだという。安全を切り捨てて、原子力発電をつくることを優先してきたと言っている。しかもこれは自分だけでなく「原子力をやっている者全体の意見を代表していってきたこと」なので、原子力業界の総意だとさえ言っているのである。
このことに、菅総理はもちろん、なぜ政府は怒らないのか、なぜ新聞やテレビは糾弾しないのか。こんな理不尽なことも、この国は水に流すのか。
あれほど「安全です、絶対に大丈夫です」と約束してつくられてきた日本中の原発は、じつは、まったく危険なのである。地震や津波は、いつまた起こるかもしれない。
この国の国民は、誰を信じ何に頼ったらいいのだろうか。

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