杉原輝雄選手のプロ魂に思ったこと  宇治敏彦

 身長160センチで、プロゴルファーとしては小柄ながら、正確なショットと勝負を最後まであきらめない根性で「マムシ」とか「すっぽん」と呼ばれた杉原輝雄選手が74歳でなくなった。前立腺がんがリンパ節に転移した結果だが、以前、前立腺がんを患った同年齢の一人としては、いろいろ考えさせられることがあった。
 筆者が前立腺がんと診断され手術したのは1998年。杉原さんも同年にがんを公表したが、私とは違って「現役ゴルファーを続けたい」との理由で手術せず、投薬治療をしながらプレーを続けた。アーノルド・パーマーであったか、前立腺がんに罹った米プロゴルファーが手術せずに現役を貫いたのに見習ったのだと杉原さんが書いていたのを記憶している。
 私の知り合いでゴルフがシングルの男性は、筋肉を強くするために府中の佐藤スポーツセンタ―で加圧式の筋肉強化療法を受けていた。彼に頼まれて新聞でもその療法を紹介したことがある。杉原選手は自宅のある大阪から毎週1回、空路その佐藤先生のところへ通っていた。その模様はNHKテレビで放映されたこともあるが、苦しそうに筋肉加圧トレーニングに耐える姿をみてプロ根性とはこういうものかと感嘆した。
 しかし進行が遅いといわれる前立腺がんも最後は腰の骨に転移する可能性が強いから、がんの病巣を手術で全部摘出しない限り最終的にはがんに負けてしまう。私も手術しないで放射線治療など他の方法で療養していたら、杉原選手と同様に2011年でこの世に別れを告げる運命だった可能性が大だ。なにも生きながらえるだけが良いとは思わない。価値ある人生、充足感を実感できる人生であれば「生の長短」は決定的要素でないかもしれない。杉原さんはプロゴルファーとしての存在感を第一義に大事にしたのだろう。その決意は凄いと私は思う。正直なところ、自分にはまだまだやりたいこと、書きたいことがたくさんある。手術によって延長された「生の時間」をどこまで活用できるか。杉原さんの冥福を祈りつつ、そのプロ根性をお手本にしたいと改めて思った。
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