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「逆算日記」をつけてみよう   宇治敏彦

 新年を迎えると、手帳や日記帳が新しくなるのが嬉しい。2007年(平成19年)までは「自分史年表」(出窓社)に自分の簡単な記録を書き込んでいたが、2008年から「10年連用ダイアリー」(博文社)に切り替えている。5年目に入ったが、前年、前々年などの同じ日にどんなことをしていたかが一目瞭然で便利といえば便利である。10年日記帳だから今年も含めてあと6年分の余白がある。2017年まで健康でいられるか、頭は呆けていないか、自信はない。
 そろそろ「逆算日記帳」が必要ではないか。自らの終着駅を想定して、不要な書類・資料とか書籍・画集とか木版画の版木類などを大胆に整理すべきではないかと思い始めている。終着駅は芥川龍之介のように自裁しない限り自らで選ぶことが出来ないので、逆算日記帳の1ページ目を西暦何年と決め付けるわけにはいかないが、心構えという点では、常にその逆算日記が必要だろう。
 以前、この「埴輪」にも書いた特攻隊の若者たちは「出撃の日」を逆算日記の1ページ目と決めて、今日をどう生きるかを考えていたはずだ。同じ隊員の遺書が何通も残っているのは、その日その日の日記でもあったのだろう。銀座のレコード店の子息で、海軍の特攻に参加した若者が出撃前に短時日の帰宅を許された際、自宅で自らの決意をレコード盤に録音したものを聞いたことがある。それは国や家族のために散華する決意を高校野球の選手宣誓のような高い声で早口に述べたものだったが、彼にとっては逆算日記のひとこまだったに違いない。
 先進国中、最も早い速度で高齢化が進む日本では100歳以上の人が既に4万5000人以上に達している。聖路加国際病院理事長の日野原重明さん(100歳)に以前、日比谷公会堂での講演をお願いしたとき、ハンドマイクで演壇を歩きまわりながら1時間超の講演をこなし、階段をとんとんと早足でおりていく姿に「この人、本当に人間なの?」と思った。3年先まで講演スケジュールが一杯という。それまでは死ねないという日野原さんの逆算日記の1ページは、まだまだ先に伸びているようだ。
 平和で健康なら日野原さんのような「元気な100歳」はますます増えるだろう。それはそれで結構だが、私自身は健康で正常な判断ができるうちにこそ「無にして無に返る」決断の日記帳を書いていこうと思っている。
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