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「チャンスの平等」が崩れるアメリカ  宇治敏彦

 米大統領選が始まっている。1年近くかけてトップリーダーを決めるというのだから、アメリカの民主主義も手間隙をかけている。それだけ指導者選びに時間をかけるから、よほどの事故か不始末(たとえば1963年のケネディー暗殺や1974年のウォーターゲート事件でのニクソン辞任)がない限り、大統領は4年の任期を全うし、実績をあげれば再選を勝ち取ることができる。1年ごとに総理大臣が代わる日本とは大違いだ。
 11月に行われる今年の大統領選で現職のオバマ大統領が再選されるかどうかは、まだ分からないが、共和党の対立候補がこんな混戦模様では現時点ではオバマ優勢と見るべきだろう。
 そうした中で私が注目しているのはアメリカ社会の変化が大統領選に大きな影響を与えていることだ。アメリカといえば「自由」が最も大事な理念と憲法でも規定されており、オバマ大統領主導の医療保険制度改革法(皆保険制度の導入)についてもバージニア州裁判所が「加入を義務付けるのは違憲」との判断を示すような国柄である。したがって全てにおいて「結果の平等」にはノーであり、ひたすら「チャンスの平等」を追い求めてきた。
 この論争は日本でも中曽根内閣や小泉内閣の時代にあったもので、旧社会党(社民党)などは富める者も貧しい者も等しく平等であるように「結果としての平等」を主張した。これに対して自民党は「運動会で皆がスタートラインに立てる『チャンスの平等』を目指そう。後は早い者が勝ち、遅い者が負ける。それが自由競争の原則だ」と反論した。
 アメリカは当然のことながら「チャンスの平等」をひたすら追求してきた。ところが「オキュパイ」「99%」運動に象徴されるように、若者を中心にしてチャンスを求めようにも、そのチャンスすら見当たらないという状況が現出したのである。イギリス人の知り合いに聞いてみると、「英国でも若者の就職に同様な傾向が見える。しかし、アメリカよりもっとチャンスがないかもしれない」という。その理由として彼は「職種を求めなければ床掃除でも道路工事でも仕事はあるだろう。だがイギリス人は、そういう職種は移民してきた人たちがやるものと思っている」から手を出さないので、失業率が高まっていくのだという。
 アメリカにも似たような傾向があるかもしれないが、アメリカは多民族社会だから皆が移民のような国家で、イギリスとは多少違うだろう。それでも「99%」運動がなお続いているところに「チャンスの平等」すら維持できない米国社会の影がふくらみつつあることを私たちは注視しておかなければならない。
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