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クロネコヤマトのボランティア活動  小榑雅章

東日本大震災後、1年が経ちました。思い出すのもつらい災害でした。
筆者は、阪神大震災の被災者でもあったので、東北の被災者の方々のつらさが、ことさら伝わってきます。神戸では、3か月後には響き始めた復興の槌音も、東北では1年も経つのに響きは小さくにぶく、なかなか先が見えないのが、またつらいです。
 ここでは、少しでもよかったと思える出来事を記してみたいと思います。
震災直後から、日本中、いや世界中から多くの救いの手が差しのべられ、多くのボランティアが直接被災地に入って、援助活動をしました。その数は90万人とも100万人とも言われています。個人でボランティア活動に参加した人が多いのですが、中には、企業が後押しをして、ボランティアに参加した人も少なくありません。
その中の一つに、クロネコヤマトという会社のボランティア活動があります。この会社の援助行動は、括目すべき企業活動だと思いますので、ここに記してみたいと思います。
宅急便のクロネコヤマト、この会社の正式な名称はヤマト運輸、その親会社がヤマトホールディングス株式会社と言います。
 1年前の3月11日に、宮城、福島、岩手、茨城の地域にあるクロネコヤマトの事業所のうち9か所が全壊し、5か所が使用不能の半壊になりました。現地のヤマトの多くの社員もまた、被災し、避難所暮らしを余儀なくされていました。 
 震災発生から3、4日後から、救援物資が全国から送られてきて自治体や大きな避難所に山積みされるようになりました。しかし、その山は高くなるばかりです。そこから先の肝心の被災者には届けることが出来ないのです。自治体の市役所や町役場も被災し混乱し、機能を減衰していて、救援物資を仕分けしたり配ったりする能力がないからです。
気仙沼市の避難所で避難生活をしていたヤマトのセールスドライバーたちが、いち早くこの状態に気づきました。市に申し出て集積所の物資を分類し、在庫管理を行ない、同時に多くの避難所を効率的に回る配送ルートやどこにどれだけ配るかという計画を立てて配送を始めました。
救援物資を配布するにしても、無計画にただ配るだけだと、必要なところへ必要なものが届かない。例えば粉ミルクが必要な人に下着が届けられたり、防寒着がほしい人におむつが届いたり、ということが起こっていたのです。その点、地域の事情を熟知しているセールスドライバーは、きめ細かに計画を立て、必要な物資を必要な人のところに届けることが出来たのでした。
岩手県の釜石市でも同じように配送しました。ヤマトの社員たちの同じような動きは、ほかの地域でも同時多発的に始っていました。
 物資の仕分けも在庫管理も効率的配送も、どれも日常的に行なっているベテランで、お手の物の作業です。いままで滞っていた救援物資が、たちまち小さな避難所や自宅避難者のもとに届くようになりました。
 じつは、この作業は現地社員たちの全くの独断のボランティア作業でした。会社の指示でも諒解でもないのに、宅急便の自動車を使うなどということは決して許されていることではありません。会社の資材や車を勝手に使うとは何ごとか、と叱責されても仕方がないことです。
 しかし、こうした動きを知った本社の木川真社長は、叱責するどころか「これぞヤマトの本来の使命だ」と判断して、直ちに従来の宅急便の組織とは別に、「救援物資輸送隊」を組織し、現場独自の活動を全面的にバックアップすることを表明したのです。
 救援物資輸送隊は岩手、宮城、福島の三県の自治体と連携を取り、全国からの応援社員とともに、救援物資の仕分けや避難所、集落、施設などへの配送を行ないました。
この大規模なボランティア活動は、今年の1月15日まで、約10か月にわたって続けられました。その間、救援物資輸送隊への参加人数は、延べ14000名、稼働車両数は4500台になりました。
ヤマトには17万という大勢の社員が働いています。そのほとんどは一人で車を運転し配達するセールスドライバーです。その大勢の社員たちが、「救援物資輸送隊」に共鳴し、被災者の役に立てたという向社会的活動を誇りに思ったと言います。
 株式会社は、利益を稼ぐための組織です。しかし、独走した現地社員のボランティア行動を、咎めるどころか賞賛しただけでなく、多額の経費のかかる本格的な「救援物資輸送隊」を組織した木川社長の決断は、ヤマトという会社に働く17万の社員の心を熱くし、この会社に働くことを誇りに思うという、大きな価値をもたらしたのでした。

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