原発再稼動は「時代罪」ではないのか  宇治敏彦

 福井県おおい町にある関西電力大飯原発3、4号機の再稼動をめぐって民主党野田政権は「地元の理解を得て再稼動する」方針を決めた。昨年3月の東電福島第1原発事故以後、初めての再稼動方針だが、まだ安全性の確認が十分でない段階での今回の政府決定は、一種の「時代罪」になるのではないかと強く懸念される。
 なぜこんなに再稼動を急ぐのだろう。枝野経済産業相は「原発を今後とも重要な電源として活用していく」と西川福井県知事らに理解を求めたが、4月13日の衆院経済産業委員会では「できるだけ早く原発依存から脱却し、原発への依存をゼロにしたい」とも答弁したではないか。何か電力会社をはじめ産業界、日本経団連などの要望をそのまま関連自治体に押し付けているように映る。電力不足だというのなら「国民の安全第一を重視して、原発は当面凍結するので節電に協力してほしい」と国民に協力要請するのが本筋ではないだろうか。
 第2次世界大戦のときの東条内閣も、こんなふうにして米国などとの戦争に突っ込んでいったのかもしれない。日米の国力、軍事力などを冷静に分析すれば、当然、勝ち目のない戦争だと分かっていたはずだ。だからこそ開戦前の御前会議で東条首相は「清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要だ」と、非科学的な言葉を吐いたのだ。多くの日本人や外国人を殺すことになった、この東条首相の決断も「時代罪」ではなかったか。
 もちろん「時代罪」は、指導者や政権だけの責任ではない。私たち一般国民も、あるときは熱にうなされたように「鬼畜英米」「大東亜共栄圏」に突進していた。
 いま原発再稼動で同じような「時代罪」を私たちは犯すべきでない。生活の質を落とすことになっても「安全第一」を貫くことが必要なときではないだろうか。


 
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