宇治敏彦著「実写 1955年体制」  小榑雅章

実写1955年体制
「実写 1955年体制」宇治敏彦著 第一法規発行 2500円(税別)

参議院選挙も終わり、安倍首相は得意満面です。しかし内心はどんな思いなのでしょうか。難問山積、一国のリーダーとして、これから大変ですよ。歴代の首相たちも、一喜一憂、得意から失意へ、握手から闘争へ。みんな苦労をしてきたのですよ。
このブログ「雑誌埴輪」の同人、宇治敏彦が「実写 1955年体制」という本を、第一法規から出版しました。早速、その本を読んでみたら、これがじつにおもしろい。日本政治の裏面史というか舞台裏というか、歴代の首相や著名な政治家、労働界のリーダーなどの乙にすました表舞台とは異なった実像が、どれも具体的に語られているのです。「実写」と銘打っているのも、むべなるかなで、すべてが宇治自身が現場で実感し体験した事象を、自身の記録と記憶に基いて、実写されているのです。
宇治が、いかなることを意図してこの本を書こうとしたか、序章の一部を以下に抜粋してみましょう。
「一九五五年当時の第五四代首相・鳩山一郎から一九九三年の第七八代首相・宮澤喜一に至るまで一五人の内閣総理大臣による三八年間の自民党一党支配時代は、私たち日本人にとってどんな時代であったのか、それを政治記者として取材し、現在も“後期高齢者”の一員でありながら特任論説委員として社説を書いている五〇年余の現役ジャーナリストとしての眼も、資料、記憶から再現して、戦後日本の中でも力強い日々であった『五五年体制』の光と影を再現してみたいというのが筆者の思いである。」
ところで、いま、若い人に「55年体制」って知っている?と聞くと、それなんですか、聞いたことがない、と聞き返されました。
「55年体制」について、宇治は、次のように説明しています。
・・・東西冷戦(米ソ対立)、イデオロギー対立(資本主義対社会主義)が五五体制の大きな特徴だった。…日本国内で五五体制を特徴づけるキーワードないしは流行語を拾い上げると、「日本株式会社」「タカ派、ハト派」「総資本対総労働」「社会党・総評ブロック」「昔陸軍、今総評」「政治は三流、経済は一流」「政界一寸先は闇」「鉄の三角同盟(アイアン・トライアングル)「族議員」「行政指導」「護送船団方式」「一内閣一仕事」「もはや戦後ではない」「神武景気」「総中流」「みんなで渡ればこわくない」などを列記できよう。いずれも五五年体制の断面を見事に象徴している表現と思う。…
ここで、宇治がキーワードないしは流行語としてあげた事象のほとんどが、この「実写 1955年体制」の中で取り上げられ、その意味や内幕が生き生きと語られています。政治というのは、私たち庶民とかけ離れた白亜の議事堂の中で行なわれている別世界のできごとのようですが、この本を読むと、政治家の先生方も私たちと同じちょぼちょぼの人間で、悩み苦しみ、のたうちまわっていることも、よく分かりました。
おなじ埴輪同人の私が、いい本だ、面白い、と仲間を褒めそやすのは、それこそあまりほめられることではないのですが、本当に面白かったので、あえて紹介をさせていただきました。ご海容賜りますように。
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