ますます祖父・岸信介元首相に似る「安倍政治」 宇治敏彦

 2014年(平成26年)の国内政治がどうなるか――政治記者半世紀の体験から占うと、
次のように要約できよう。
1、 安倍晋三首相が、無きに等しい「野党」の存在を良いことに、ますます自らの政治信条に忠実たらんと「右寄り路線」「戦後精神の骨抜き」「新翼賛体制」に向けて確実に歩み始めるだろう。
2、 そのことは中国、韓国、北朝鮮など近隣諸国との「冷たい関係」が長期化することにつながるが、日本国民の「嫌中感情」「反韓感情」が根強い現状をバックに安倍首相は強気の「我慢比べ」を続けるだろう。
3、 日中、日韓関係のこれ以上の悪化を懸念する米国が、オバマ大統領訪日の際に安倍首相に「同盟国としてのアドバイス」として「現実的対応」「日本側の柔軟対応」を求める可能性があろう。しかし、安倍首相は沖縄在日米軍基地の移転問題などで日本が対米配慮を十分行っている経緯を説明し、むしろ米側に防空識別圏などでの対中強硬策を求めるに違いない。
4、 4月の消費税率引き上げに伴い景気が停滞することは避けられず、証券・金融中心のアベノミックスは「一歩前進二歩後退」の局面を迎えるだろう。
5、 2020年の東京オリンピックに向けて公共事業を中心とした建設ラッシュが首都圏で進み、政府は明るさムードを国民に喧伝するだろうが、特定秘密保護法の施行を前に「もの言えば唇寒し」の空気がインテリ層を含めて、じわじわと広がるような明暗入り混じった世相になるだろう。
 こうした方向は、1957年(昭和32年)2月、岸内閣が誕生したした時に良く似ている。岸内閣は公約として暴力・汚職・貧乏の「3悪追放」を掲げた。一見、結構に見えるが、岸氏の言った暴力とは「デモのような集団的行動で法の制限を無視すること」を指し、そのための警職法改正が狙いだった。「デートを邪魔する警職法」という声も若者から出て、最終的には改正案は廃案になった。
 岸首相が次に手掛けたのは日米安保条約の改定で、これは政権と引き換えに国会批准を強行突破した。東大の女子学生、樺美智子さんがデモと乱闘の中で死亡した1960年安保騒動である。さらに岸首相は憲法改正を目論んで内閣に憲法調査会を設置したが、それは今日に至るまで実現していない。
 安倍首相が希求する最終目標は、この憲法改正である。そこへの道筋を2014年につけたいというのが首相の「初夢」だろう。幼少の頃からおじいさんの揮毫を手本にして書道に励んだという安倍氏は、祖父の出来なかった夢を実現したいと心に期しているようだ。
 だが、それを強行することは、間もなく満70年になる「戦後民主主義」「不戦国家ニッポン」という誇らしい歴史を国内的にも国際的にも台無しにしてしまうに等しい。日本人は、そのことに覚醒して、安倍自民党政権の独走に歯止めをかけなければならない時であろう。何のために我々の先祖や家族は、先の大戦で命を落としたのか。そのことを年頭に当たって一人一人が心静かに考えてほしい。
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