ジャーナリストってなんですか、花森さんに聞きました  小榑雅章

フリージャーナリストの後藤健二さんがイスラム国の人質になって以来、報道の自由、渡航の自由などと同時に、ジャーナリストの使命についての議論も盛んになっています。
とくに、政府や外務省は、ジャーナリストであろうとなんであろうと、面倒なことはやめてくれ、迷惑だという物言いが前面に出てきています。
それに対して世論も、新聞やテレビであっても、国に迷惑をかけるのはよくないという模範解答が優勢のように思われます。
もう何十年もまえのことですが、暮しの手帖に入社してしばらくの間、編集長の花森安治さんから、「君はそれでもジャーナリストか」とたびたび叱責されました。叱責と言うより、なかば呆れられたり慨嘆されたという感じです。
その都度、「えっ、おれはジャーナリストなのか」と自分のほっぺたをつねったものです。
自分は雑誌の編集者ではあるけれど、新聞記者のように毎日飛び回って、政治記事や経済記事を書いたり、警察署から犯罪情報を取材したりはしないのに、それでもジャーナリストなのか。
密かにコンサイスの英和辞典を開いてみると、「ジャーナリスト 新聞雑誌記者」と書いてあります。なるほど、俺もジャーナリストだ、とは思いましたが、どうも花森さんの言っている「君はそれでもジャーナリストか」というジャーナリストとは少し違う気がしていました。
花森さんのいうジャーナリストはどういう人物?職業?能力?志?をいうのだろう。
青二才の新米記者は一生懸命考えました。
考えてもよくわからないので、恐る恐る「ジャーナリストになるためには、どうしたらいいのですか」と聞きに行きました。
花森さんは、こいつは何を言っているのか、訝しげに私をながめて、こりゃダメだという感じで、ふーっと息を吐きました。
そして一言、「本物か偽物か、みきわめる力だ」
それで、あっちへいってしまいました。
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