環境省を福島県に移転してはどうか   宇治敏彦

 「地方創生」政策の一環といて中央省庁機関の地方移転が検討されている。文化庁の京都移転が最有力視されている。1月末に開かれた移転に関する政府有識者会議と内閣官房によるヒヤリングで山田啓二京都府知事が「文化財の多い京都こそ文化庁の移転先にふさわしい」と強調し、安倍晋三首相も国会答弁で京都移転に前向きな姿勢を示したからだ。
 政府機関の地方移転の推進役である石破茂地方創生担当相は「移転を希望する地域に、移転でその地域だけでなく、日本全体のプラスになるものであることをお示しいただく」と述べており、3月中には地方移転の基本計画を決める段取りだ。
 文化庁の京都移転のほか消費者庁の徳島県移転なども話題にのぼっている。文化庁の京都移転は、すんなり分かるが、消費者庁がなぜ徳島県なのか分かる人は少ないのではないだろうか。
 目下、中小企業庁、特許庁、気象庁、観光庁なども地方移転の対象機関候補にあがっているが、関係機関はいずれも否定的という。地方移転といっても、多くの人が納得するような意味づけが必要だろう。
 その点からいったら、「環境省を福島県に移転してはどうか」と筆者は提案したい。まもなく東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故から満5年を迎える。現地の人々から「復興はまだまだ」という声が聞こえてくるが、その通りだろう。特に原発事故で廃炉に最低でも30年から40年の時間を要すると東電は見ている。そうした中で丸川珠代環境相は2月7日、長野県松本市で開かれた会合で、東電福島第1原発事故後に定めた除染などの長期目標について次のように述べた。
 「何の科学的根拠もなく、誰にも相談せず、その時の環境大臣が1ミリシーベルトまで下げた」「その結果、帰れるはずのところにいまだに帰れない人がいる」
 除染などの長期目標は国際放射線防護委員会(ICRP)が事故後に目指すべき線量として勧告する年1~20ミリシーベルトのうち最低の数値である。それを環境大臣が「それは民主党政権当時の決定で意味がない」と言わんばかりの態度では、なにをかいわんやだ。その後、丸川大臣は批判を受けて発言を撤回したが、避難を余儀なくされている福島県の人々からみたら「行政の責任者が私たちの気持ちも知らないで」と怒りが収まらないだろう。
 環境問題の責任者が、こんな認識だからこそ、環境省を福島県に移転して、原子炉の廃炉問題を含めて日本の環境政策全体の見直しを推進し、「クリーン・ジャパン」の国造りを目指したらどうだろうか。

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