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負けるな! トルコの日刊紙ZAMAN(ザマン)  宇治敏彦

 トルコでは最多部数を誇る日刊紙「ZAMAN」(英字紙を含めて約65万部)が反政府的という理由でエルドアン政権の管理下に置かれた。イスタンブールのザマン・メディアグループ本社前には、これに抗議して1000人を超す読者や一般市民が集まったが、警察隊の催涙ガスと高圧放水銃で排除された。
 イスタンブールの朝日新聞記者(春日芳晃氏)のレポートによると「エルドアン氏が事実上率いる与党・公正発展党(AKP)と密接な関係にある管財人3人が真っ先に編集局長を解任し、以前の記事などをすべて削除した」(3月11日朝日朝刊)という。
 2年前の9月、筆者は国際新聞編集者協会(IPI)理事の一員として「トルコにおける報道の自由を守ろう」と他国の理事とともにザマン・グループ本社を訪れ、明るいビルの社内を見せてもらうとともにザマンの取締役・編集局長エクレム・ドゥマーニ氏らと懇談の機会を持った。既に、そのころからエルドアン政権の「報道管制」は強まっていた。
 ザマン紙は1986年創刊だが、イスラム主義的保守系新聞で、決して進歩的左派系新聞ではない。だが米国に亡命中のイスラム教ギュレン師がエルドアン大統領の強権政治に抗議し、ザマン紙もギュレン師に加担してエルドアン批判を強めるにつれて、政府のザマン紙弾圧が加速した。
 IPI理事と懇談したドゥマーニ編集局長からは後日、私宛に「トルコのメディアとジャーナリズムの最新事情について忌憚ない意見交換が出来たらことに感謝している。私たちザマン・メディアグループは未来へ前向きに進む。再訪を望みます」とのメールが届いた。だが彼も管財人から真っ先に解任された。
 以前にも本誌「埴輪」に書いたと思うが、10年以上前にエルドアン大統領(当時は首相)が来日し、日本記者クラブで会見した際、筆者はクラブの企画委員長として司会役を務めた。国民向けの改革を進める政治家として好感を抱いた記憶がある。だが2年前のトルコ訪問時にヒュリエット紙(ザマン紙につぐ有力紙)のムラト・イエトケン論説委員長が「昔は良かったが、利権供与を条件に私たちマスコミに接してくるようになった」とエルドアン大統領を厳しく批判していた。
 それで思い出したのがルーマニアで1989年に民衆から追放されたチャウシェスク大統領の私邸が最近、一般に公開された。エレナ夫人、3人の子どもと住んでいた私邸は、なんと80の部屋があり、屋内プールや地下貯蔵庫を備え、邸宅内部はベネチアンガラスの鏡や色彩豊かなモザイクなど贅を尽くした装飾だという(今は外国賓客用に使用されているようだ)。彼が追放直前まで建設中だった「冬の宮殿」をイリエスク大統領に代わった1990年5月にルーマニアで見学したが、どんなに後ずさりしても全景がカメラに納まらない巨大宮殿だった。
 新聞報道によるとトルコのエルドアン大統領も近年、豪華な私邸、国内で最大規模もモスクを建築するなど、チャウシェスクそっくりだ。
 2年前、トルコのジャーナリストたちと懇談した際に筆者は「絶対的権力は絶対的に腐敗する」と述べたら、皆頷いていた。それだけにトルコでは今、「権力の暴走をチェックし、国民の多くが望んでいる正常な状態に戻す」というジャーナリズムの仕事が重要性を増している。頑張れ、ZAMN紙! 負けるなトルコのジャーナリスト!
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