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憲法学者・小林節慶大名誉教授の参院選出馬   宇治敏彦

 小生が勉強部屋として20年ほど前から借りている日本プレスセンタービル(東京都内幸町)8階の小部屋近くのキュービクルに慶大教授を定年になった憲法学者の小林節さん(67歳)が引っ越してきたのは2年前のことだった。もともとは改憲論者とされていたが、安倍政権の新安保法制には真っ向から「立憲主義に反する行為」と猛反発し、防衛省出身ながら新安保法制に反対し続ける柳沢協二氏と並んで全国各地からお呼びがかかる人気者になった。最近も護憲学者の樋口陽一東大名誉教授との対論集「『憲法改正』の真実」(集英社新書)を発刊し、緊急事態条項の新設などを盛り込んだ憲法改正草案に対して国家の根幹を破壊するものだと激しくかみついている。
 その小林慶大名誉教授が5月9日、日本記者クラブで会見し、夏の参院選に向けて政治団体「国民怒りの声」を立ち上げ、同氏を含む候補者10人以上を立てて新安保法反対や改憲阻止へ本格稼働すると表明した。また原発反対や米軍普天間飛行場の沖縄県内移設反対なども掲げている。
 「民進党と喧嘩しちゃいましてね」。プレスセンターの廊下で行き合ったら、そんな内輪話をしてくれた。当初は夏の参院選に向けて民進党をはじめ野党が比例代表の統一名簿を作るべきだと各野党に働きかけていたが、民進党の同意が得られず、自ら政治団体を立ち上げることを決断したのだ。「それでも全国を歩いていて成算があると感じるのですよ」と別れ際に漏らしていた。
 結果が吉と出るか、凶と出るか―これは判断が難しい。かつて佐藤内閣時代の1969年(昭和44年)2月、学者の青木茂氏や「目白三平シリーズ」で知られる作家の中村武志さんらがクロヨンと呼ばれる税の不公平感に反発して「サラリーマン同盟」を結成し、国会議員も誕生させた。しかし、一時的な支持は得たものの政党活動は、そう長くは続かなかった。
 税の不公平感是正運動と小林氏らの改憲阻止運動では性格を異にするという見方もあるだろう。だが野党の間には「小林氏らの活動が野党統一の分断につながり、結果的に自民党を利することになるのではないか」との見方があるのも事実だ。
 正直なところ安倍首相は、今夏の衆参ダブル選挙を完全に断念したのだろうかという疑念が、まだ残っている。伊勢志摩サミットが終われば、あとは「憲法改正へ向けて最後の政治生命を賭ける」というのが首相の心底にあるだろう。それを阻止するには政党レベルでも有権者レベルでも、相当の覚悟とエネルギーが不可欠だ。1960年代だったら総評とか全学連という組織があった。今の連合は野党支持か与党支持か分からないレーバーユニオンだし、若者たちの戦闘力も60年代には及ばない。
 小林名誉教授らの「国民怒りの声」は、志は良いとしても、本当に改憲阻止の中核エネルギーになりうるだろうか。「御健闘を祈ります」と言って同氏とわかれたが、安倍自民党という頑丈な堤防に水漏れ―洪水を誘発する一針を通すのは容易でないと改めて思う。

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