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金利操作だけで経済は良くならない   宇治敏彦

 日本銀行が9月21日の金融政策決定会合で、金融緩和政策の部分的修正を決定した。その主な内容は①物価上昇率2%目標を超えるまで新たな金融緩和策を継続する②「年80兆円ずつ保有残高を増やす」との国債買い入れペースを「おおむね80兆円を目途に」と変更する③「7~12年程度」としていた国債の平均残存期間を廃止する―などだ。その理由について黒田東彦日銀総裁は「原油安」「2014年4月の消費税率アップ」「新興国経済の減速」という3つの理由を指摘した。
 しかし、筆者の率直な印象は「金利政策で経済全体の構造を変えようという日銀の発想自体に土台無理があるのではないか」という点である。マイナス金利政策を3年半続けても「2%の物価目標」が達成できないのは、日銀の役割の限界を国民に見せつけたに等しい。行天豊雄・国際通貨研究所理事長が「中央銀行にできることは限られている。検証したからすぐにでも必要な対策が打てるわけじゃない。日銀だけじゃどうしょうもない」(9月20日、日経新聞朝刊)とコメントしているように、安倍政権自体が経済政策の内容や規模を大幅に変えないかぎり、日銀の金利政策はゴマメの歯ぎしりに終わるだろう。
 安倍晋三内閣の支持率は50%台後半から60%前半と極めて高い。だが、その中で期待感が逆転している項目が「経済政策」だ。たとえば共同通信社が9月17,18日に実施した全国電話世論調査では、安倍内閣支持率は55.7%(不支持30.0%)で8月調査より3%近く支持が上昇している。ところが「経済政策」では「期待できる」が10.9%に対し「期待できない」は28.6%と悲観論が3倍近い。8月調査より「期待できない」が10%近く増えている。
 言い換えれば景気は良くない。個人は財布の紐を締めているから消費が低迷している。マイナス金利では貯蓄する気にもならない。将来不安が拡大しているから「2%の物価目標」など達成できるはずがないのだ。
 安倍首相は今春の春闘時に「企業はもっと賃上げを」と経団連幹部らに発破を掛けた。しかし、こうした「官製春闘」は邪道である。政府は本来、民間企業の労使交渉に口を差し挟むべきでない。かつての太田薫―岩井章コンビといった総評全盛期なら、その首相発言だけで大問題になったであろう。
 むしろ安倍政権が今までに取り組むべき問題は「同一労働同一賃金」「正規社員と非正規社員の格差解消」「外国人労働力の有用活用」といった社会構造・労働環境の改善であった。それを軽視して日銀の金利政策頼みにしても、物価上昇率2%が達成されるはずがあるまい。
 黒田日銀総裁も「サプライズ戦略」なんて用語は使わないほうがよい。かつて大幅な金融緩和を求めた政府・自民党首脳に敢然と立ち向かい「平成の鬼平」とのあだ名を付けられた三重野康日銀総裁が懐かしくなってくる。
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