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「金食い虫」もんじゅの悲劇   宇治敏彦

 一時は「夢の原子炉」とまで言われた高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が廃炉に向けて動き出した。福井県の西川一誠知事らは存続を希望しているが、政府は年内に廃炉を正式決定の運びだ。
 当然だと思う。むしろ遅きに失したというべきだろう。1994年に「臨海」(核分裂が持続する状態)に達して本格稼働に入ってから今年で22年になるが、この間、原子炉を動かせたのは延べ250日間しかない。「夢の原子炉」というより「幻の原子炉」と言った方が的確だろう。
 しかも、この間に歴代内閣が使った金は1兆円以上で、運転が停止しても毎年200億円の維持費を要する「金食い虫」だった。炉は停止中でも固まりやすい性質があるナトリウムを温めるため毎月1億円以上の電気代が必要だという。何でこんなにも無駄なことが長期間行われてきたのだろう。
 1995年12月にナトリウム漏れを起こして運転中止になった2年後、原子力委員会の内部に高速増殖炉懇談会がつくられた。その席で吉岡斉九大教授(科学技術史が専門)は「もんじゅを博物館にして技術保存し、技術者は学芸員として再雇用してはどうか」と提案したという(9月23日、毎日新聞朝刊)
 だが、地元の福井県をはじめ関係者の反対が強く、吉岡案は見向きもされなかった。いま廃炉後のもんじゅについて核廃棄物減量の研究拠点に転用すれば地元経済にも寄与するのではないかとの案も浮かんでいる。
 ただ廃炉にすると言っても3000億円超の費用がかかるといわれている(再稼働させる場合には少なくとも5800億円が必要と文科省は見ている)。福島の東京電力福島第一原発の廃炉でも2兆円かかるといわれてきたが、賠償費用を含めて既に6兆円が使われている。もんじゅの廃炉費用も3000億円では済むまい。
 お金だけの問題ではない。1995年のナトリウム漏れ事故後には当時の動燃が撮影現場のビデオを隠蔽したことが発覚し、その責任を感じたのか対外広報担当だった総務部次長(当時)が自殺する事件まで起きている。また消火作業の際に水をいれたバケツリレーをしたということで「そんな原始的作業で作業者が二次災害に巻き込まれたら、どうするんだ」という非難の声も聞かれた。
 「夢の原子炉」は、あまりにも高い授業料だった。原子力発電に関しても、いま一度考え直す必要に迫られている。
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