親日派が沈黙している中国政府の内部事情   宇治敏彦

  中国の建国67年を祝う中国大使館主催のパーティーが9月29日夜、赤坂見附のホテル・ニューオータニで開催された。約1500人の参会者で賑わい、例年通り舞台のすぐ脇には創価学会の池田大作名誉会長のひときわ大きな花輪が飾られていた。来賓あいさつはなく、程永華駐日大使の冒頭あいさつと乾杯の音頭で、あとは青島ビールに北京ダックや餃子、焼売などの料理で懇談という形式だった。
 日本の創価大学留学生で、日本人と全く変わらない流暢な日本語を話す程大使だが、挨拶は中国語で、その和文訳が両脇のスクリーンに映し出される仕組みになっていた。挨拶の内容は、中国経済が6.7%成長で順調に発展していることを強調し、対日関係では4つの政治的文書(戦略的互恵関係など)を堅持して経済関係の発展などに努めたいとの内容だった。最後の乾杯の音頭だけは、さすがに日本語を使った。
 政界、経済界をはじめ多くの著名人の姿があったが、安倍晋三首相の姿はなかった。こうした中で筆者が感じたのは、人は沢山集まってくるのだが、日中正常化が実現した1970年代のあの熱気は全く感じられず、なぜかよそよしい空気が漂っていることだった。勿論、この背景には野田佳彦民主党政権時代に日本が尖閣諸島の国有化を閣議決定して以来の「日中冬の時代」があるのだが、それにしても程大使も含めて中国側の親日派が、ずーっと沈黙を決め込んでいることも大きく影響しているのではないかと憶測した。
 正常化前後には廖承志中日友好協会長をはじめ多くの親日派・知日派が周恩来首相ら首脳に直に日中関係に関して進言、時には直言して、それが対日政策に反映されることがあった。しかし、今は習近平体制のもとで王毅外相(元日本駐在大使)、唐家璇中日友好協会会長をはじめ多くの親日派・知日派が頑なに中国の原則論に固執し、柔軟性を欠いている。やはり「御身大切に」というのか、政権の枠内でしか行動しない。
 そこが筆者にとっては不満である。パーティ―の終わりがけに程大使と握手しながら「大使、何とか日中関係を良くしましょうよ」と話しかけた。大使は筆者の手を握ったままで「来年が日中正常化45周年ですから」としきりに強調した。彼も本心では何とか正常化直後のような良好な両国関係に戻したいと願っているだろう。「マスコミも協力しますよ」と告げて私は会場を後にした。
 
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