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コロンビア大統領へのノーベル平和賞効果や如何に   宇治敏彦

 ノルウェーのノーベル委員会は、粋な計らいをしたものだ。10月2日に南米コロンビアで実施された和平合意を問う国民投票で反対派が勝利していなかったら今回のサントス・コロンビア大統領への平和賞授与はなかったかもしれない。いわば「コロンビアの国内合意を促す奨励賞」の意味合いが強いというべきだろう。
 何しろ52年間も内戦が続いている国である。1959年のキューバ革命に触発されて誕生したコロンビア革命軍(FARC)との内紛で約700万人(現人口の7分の1)が避難民となり、26万人以上の犠牲者を出した。当然、革命軍への反発は吹き出すが、一方で貧富の格差拡大に抵抗する革命軍を支持する農民や貧しい層もたくさんいる。
 だからこそ和平合意を問う国民投票も「反対」(50%)、「賛成」(49%)という僅差だったのだろう。否決の背景には「FARCに譲歩し過ぎだ」(選挙に勝てなくとも上下両院に合計10議席を与えるなど)といったサントス政権の妥協姿勢に不満があるからといわれるが、これだけの僅差ということはFARC支持派も根強い証拠だ。
 ノーベル委員会は「このまま放置しておいたら、英国で6月、欧州連合(EU)離脱を僅差で選択した国民投票の結果と同様に、混乱の拡大を招く」と懸念して、サントス大統領が和平努力をあきらめずFARCとの再交渉に頑張るよう焚きつける「激励賞」の意味合いを込めたのであろう。
 ノーベル平和賞が起爆剤になってサントス政権とFARCの再交渉が成功することを一地球市民として切望する。と同時に、次は深刻度を強めるシリア内戦をなんとかしなければならない。米国とロシアによる停戦合意が失敗に終わり、オバマ政権は協議の打ち切りをロシアに通告した。根源はアサド政権とシリア反体制派の争いだが、現実は米ロの代理戦争になっているだけに、ある意味ではコロンビアより質が悪い。2011年に始まった反政府デモにシリアのアサド大統領が武力弾圧をしたことがきっかけだが、コロンビアのように半世紀も内戦が続くとすれば、今世紀の後半にはシリアという国家は有名無実化しているだろう。過激派組織「イスラム国」(IS)の活動も絡んで、アサド大統領自身が身を引くことを決意しない限り新展開は見えてこないだろう。ノーベル委員会もシリアについては出番がない。本来は国連の出番だが、米ロ対決の様相では実効ある提案は出てこないだろう。
 せめてコロンビアの和平の動きやノーベル平和賞を契機に、全世界の人々がシリア問題に思いをいたして、アサド大統領に「和平」実現へのプレッシャーを強く働きかけていくべきではないか。
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