阪神大震災の教訓は何か   小榑雅章

1月17日、22年前に阪神大震災がその日です。早朝から、あの時の震災のシーンや、今後の備えについての報道が流れていました。消防や警察の活動や市役所などの対応や、電気ガス水道などについてどうだったか、の報道を見ながら、正直、何か違和感を感じます。釈然としないのです。
この朝、5時47分、私は新神戸の駅近くのマンションの6階で就寝中、突然突き上げられるように揺れてベッドから落とされました。そばにあった食器戸棚が倒れてきて、茶碗やコップのくだける音が響きました。危うく下敷きになるところでした。これは大地震だとは分かりましたが、まだ真っ暗です。停電はしていましたが電話は通じました。会社に電話をして、すぐ行くからと連絡しました。
私の勤め先は、ラジオの放送局で、災害時には的確な情報を流す使命があります。急いで駆け付けなければなりません。
放送局まで歩いて約30分。あちこちの家がつぶれたり傾いたりしていました。寝間着姿の人たちが呆然とたたずんでいます。
消防署の建物が損壊していました。消防自動車は動けません。
えらいことです。一刻も早く、震災の状況や避難や救援の情報を放送しなければなりません。そのために、兵庫県庁や神戸市役所から直通のFAXが設置されているのです。
やっとのことで中突堤にある放送局にたどり着きました。局舎は損傷していましたが、放送は継続していました。
ところが、肝心の放送すべき情報がありません。情報が送られてくるはずのFAXはうんともすんとも言わない。
痺れを切らして、私は社員の乗ってきたバイクを借りて、県庁に行きました。時間は9時半。
がらんとしています。ほとんど人がいません。情報を送ってくるはずの部屋に行くと、ガチャガチャの惨状で、誰もいない。10時になっても誰も来ない。これではいくら待っても情報が送られてくるはずはありません。
通勤したくても電車もバスも動かないのだから、県庁のお役人たちはほとんどいないのです。
知事もいません。局長もいません。迎えに行くはずの車が行けない。道路は至るところ瓦礫で車が通れない。高速道路は崩壊している。
神戸市役所に行きましたが、やはり同じです。
警察も行きましたが同じです。消防署も壊れている。
つまり、平時とは全く違うのです。大地震は、人々がいる昼間に起こるとは限らない。通勤前だったり夜中だったりしたら、対応する人間がいないのです。
テレビで放映される救助や消火活動の訓練をみて、私が違和感を感じるのは、現実には人がいないんだよ、建物も壊れているし、電車も動かないんだよ、ということなのです。
日頃の訓練は重要です。大いに準備はすべきなのです。しかし、平時とは全く違うのです。準備のしようがないほど、想定外のことが起こるのです。現実は、何が起こるかわからない、だから安心だとか、万全などというわけにはいかない、ということです。
念のため付け加えると、原子力発電所が安全であると、本気で思っているのでしょうか。避難経路や準備は万全だと言って再稼働を決めた人は、責任がとれるのでしょうか。
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