小沢一郎氏の政治生命も正念場  宇治敏彦

 9月14日に民主党の代表選挙が行われる。参院選惨敗の責任を問われる菅直人首相にとっては代表戦で再選されるかどうか、際どい局面であり、今は毎日が針のむしろに座っている心境だろう。と同時に、前幹事長の小沢一郎氏にとっても、この代表選は自らの政治生命を賭けた戦いといっても過言ではない。
 最近、森田一・元運輸相(故大平元首相の女婿)と長女の満子さん(元日本テレビ勤務)から小沢氏に関連して興味深い話を聞いた。今年のはじめ満子さんは小沢氏から「7月の参院選に香川選挙区で民主党から出馬してほしい」と2時間近くも口説かれたという。満子さん自身によると、それは1月4日のことで、最初10分ぐらい話を聞いて「心に響くものがなかった」ので断ったという。あとは雑談に終始したというが、習近平中国副主席と天皇陛下の特例会見のことが話題になり、満子さんは「(1ヶ月前ルールを理由に特例会見に反対した)羽毛田宮内庁長官の発言は、長官の個人的見解ではありませんよ」と述べ、小沢氏が天皇にお会いすることを勧めたという。小沢氏は「今上天皇には会ったことがない」と言ったという。
 これは事実とは違うと思う。近年は小沢氏も党務中心で、国務大臣などを務めていないからご進講などで「最近はお会いしていない」という意味だろう。現に大分前だが、小沢氏と懇談したおりに昭和天皇と今上天皇の違いについて「昭和天皇は私たちとお会いになるとき『小沢』と呼び捨てにされたが、今上天皇は『小沢』といわれたり『小沢さん』と敬称をつけて言われる場合もある。だれかれ差をつけないで名前だけで呼ばれたほうが天皇というお立場上よいのではないか」と感想を漏らしていたのを思い出したからだ。
 ともあれ小沢氏の大平元首相孫娘担ぎ出し作戦は失敗に終わったわけだ。政治記者という目でみると、「大平元首相の孫娘が民主党から参院選出馬」となれば大ニュースだから「小沢氏もすごいところに目を付けたな」と柔道の谷亮子さん担ぎ出し以上に感心する側面がある。しかし、その半面、客観的に考えれば賢明な満子さんが現在の民主党から出馬することは100%あり得ないことで、「小沢氏にしては政治的コンピューターが狂い始めているのでは」と感じる側面もある。
 鳩山由起夫氏が首相退陣を表明した後の民主党代表選で、小沢氏は田中真紀子さんに出馬を促し、今回の代表選でも真紀子さんに働きかけているとの情報もある。しかし、小泉内閣当時のジェットコースターのようなスピードで変幻する田中真紀子外相の言動を見ていれば、個人的人気はともかく日本のトップリーダーの座に推すべき人かどうかでは首をかしげざるを得ない。どうも小沢氏の最近の政治判断、人物鑑定は「好き」か「嫌い」かが第一基準になっていて嫌いな人でも国のためなら働いてもらうという客観的判断ができないのではないか。今回の代表選で自らが出馬するかどうかも含め、行動を誤ると、「小沢政治の時代は完全に終わった」ということになるだろう。
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